感情を伝える『感情シェアリング法』:夫婦間の信頼を深めるための具体的ステップ

はじめに

「パートナーに自分の気持ちをどう伝えたらいいのか分からない」「話し合いをしても、結局感情的になってしまう」。こんな悩みを感じたことはありませんか?多くの夫婦が、日々の忙しさやストレスの中で、感情をすれ違わせてしまいがちです。しかし、信頼関係を深めるには、お互いの感情をしっかりと伝え合い、理解し合うことが必要です。

そこでおすすめしたいのが『感情シェアリング法』。感情教育の理論に基づき、感情を上手に伝え、相手の気持ちを理解するための具体的なステップを紹介します。本記事では、感情シェアリングの方法を段階的に解説し、夫婦間の信頼関係を深めるための実践的なアプローチを提案します。


感情シェアリングとは?

感情シェアリングは、自分の感情を丁寧に言葉で表現し、それをパートナーに伝えることで、お互いの心の状態を共有する方法です。単なる会話ではなく、感情を「ありのままに表現する」ことを目的としている点が特徴です。感情を隠さず、相手の反応を恐れずに自分の気持ちを伝えることで、相手への信頼を深めることができます。


感情シェアリングの効果

1. 信頼関係の強化

感情を言葉で伝えることにより、パートナーが自分を理解してくれているという安心感が生まれ、信頼関係が強まります。また、お互いの気持ちを受け入れ合うことで、問題が起こっても冷静に対処できるようになります。

2. 夫婦間のストレスを軽減

感情を抑え込んだり、相手に伝えられずに溜め込むと、ストレスが溜まり、いつか爆発してしまうことがあります。感情シェアリングを取り入れることで、日々の小さな不満やストレスを解消し、夫婦間のストレスが軽減されます。

3. 共感力と理解力の向上

感情を伝えることで、パートナーの考えや価値観を知り、共感力や理解力が高まります。特に、相手の意見を否定することなく、まずは感情を受け止める姿勢が重要です。


感情シェアリングの具体的なステップ

Step 1: 自分の感情を把握する

感情シェアリングを始める前に、まず自分が「今、何を感じているのか?」を把握することが大切です。以下のステップで自分の感情を整理しましょう。

  1. 静かな場所で深呼吸をして、心を落ち着かせる。
  2. 自分の心の中を見つめ、「今、自分はどんな感情を抱いているか?」を考える。
  3. 感情を明確にする(例:「イライラしている」「悲しい」「安心している」など)。
  4. その感情が生まれたきっかけを考え、「なぜ、その感情が生じたのか?」を振り返る。

これにより、感情を伝える際に自分の考えを整理しやすくなります。


Step 2: 感情を言葉にして伝える

次に、自分の感情をパートナーに伝えるステップです。このとき、相手を責めたり批判したりせず、「私はどう感じているのか」に焦点を当てて伝えます。

  • 例:「あなたが仕事の話をしてくれると、私はうれしい気持ちになるよ。」
  • 例:「昨日の夜、私が疲れているときに手伝ってくれなかったことが、少し悲しかった。」

このように、具体的な出来事と自分の感情を組み合わせて伝えることで、相手にとって分かりやすいコミュニケーションになります。


Step 3: 相手の感情を受け止める

感情シェアリングは、伝えることだけではなく、相手の感情を「受け止める」ことも大切です。パートナーが感情を伝えてくれたときには、次のポイントを意識しましょう。

  1. まずは、相手の話を最後まで聞く。
  2. 自分の意見をすぐに言わず、「そう感じたんだね」と共感する。
  3. 相手の感情に対して、自分がどう感じたかを伝える(例:「そのとき、私はあなたがそんなに傷ついているとは思わなかったよ」)。

これにより、相手は自分の感情が理解されたと感じ、安心感が生まれます。


Step 4: 感情シェアリングのまとめ

感情シェアリングが一通り終わったら、お互いの気持ちを共有できたことを感謝し、まとめの対話を行います。

  • 「話してくれてありがとう。」
  • 「あなたの気持ちを知れて、私も安心したよ。」

こうした感謝の言葉を伝えることで、感情シェアリングのプロセスが「ポジティブな体験」として夫婦の記憶に残ります。


感情シェアリングを実践するためのポイント

1. 定期的に「感情シェアリングの時間」を設ける

感情シェアリングは一度だけでは効果が薄く、定期的に行うことが大切です。たとえば、週に1回「感情シェアリングの時間」を設け、日々の感情をお互いに話し合う習慣をつけましょう。

2. 感情を伝えるときは「I(私)」メッセージを使う

「あなたはいつもこうだ」という表現ではなく、「私はこう感じた」という「Iメッセージ」を使うことで、相手に防衛的な気持ちを抱かせず、スムーズに感情を伝えることができます。

3. 責めるのではなく、理解し合う姿勢を持つ

感情を伝えるとき、相手を責めたり否定するのではなく、「この人がどうしてそう感じているのか?」という理解の姿勢を持つことが大切です。


まとめ

感情シェアリングは、夫婦間の信頼関係を深め、日々の感情のすれ違いを解消するための効果的なアプローチです。お互いの気持ちを受け止め合い、感謝の言葉を交わすことで、より深い絆を築くことができます。この記事で紹介したステップを参考に、ぜひ感情シェアリングを実践してみてください。

コメント